建物の状態や構造によっては、潔く壊して新築したり、転居するほうが得な場合もあるので注意が必要

  1. 「すぐ建て替えなきゃならないほど老朽化しているわけではないけど、あちこち傷んできたわね。手狭で住みにくい……。そろそろリフォームどきかしら」
  2. 「だけど、増改築も砂つこう費用がかきむらしいぞ。今、増築して、何年か先にまた建て替えなんてことになったら無駄だろう。どうせなら、この際、思いきって建て替えたほうがいいのかなあ・・・・・・」
  3. 「でも、新築となるとやっぱりたいへんよ。解体費用や基礎工事がもったいないわ。生かせるところはそのまま残して、リフォームするほうが経済的じゃないかしら」

こんな家はリフォームできません

現在の住まいに不便や不満を感じつつ、「壊すべきか、生かすべきか」と迷っているあなた。おっしゃる通りです。増改築なら、新築のほぽ半分の費用でできます。

ただし、建物の状態や構造によっては、潔く壊して新築したり、転居するほうが得な場合もあるので注意が必要です。第一に、地盤が低い場合。建物の地盤が周囲の道路や隣地より低くて雨水が流れ込み、いつもじめじめしているような家では、基礎が割れて地盤沈下を起こしていることがあります

これでは、いくらおカネをかげて改造しても無駄。足元から腐って、崩れてしまいます。その土地に住み続げるためには、まず地盤強化や嵩上げに投資しなければなりません。

家を壊して地盤を上げ、それから新築するほうが経済的です

無理してリフォームするより、家を壊して地盤を上げ、それから新築するほうが経済的です。あるいはいっそのこと、土地ごと処分して別の土地に引っ越すほうが安上がりでしょう。

第二は、粘土質で水はけの悪い土地。当然、じめじめと湿気た状態で、水ゴケや水草が生えていることがあります。周りに土を盛って手当てしたつもりでも、肝心の床下が水びたし。家が腐り始めるのは時間の問題です。

基礎をつくり直すことは可能ですが、ジャッキで家ごと持ち上げて地盤改良や盛り土工事をすることになるため、莫大な費用がかかります。第三は、基礎の傷みがひどい家。ちょっと見には新築同然でも、よく見ると、基礎のコンクリートがひび割れていたり、崩れていたり、帯状にコンクリートを打っただけの、建物本体を支える布基礎がねじれて傾いている例もありました。

この場合、やはり修理や補強にはかなりの費用がかかります。第四は、建物本体がかしいだり、ゆがんでいる家。極端な例では、どこもかしこも斜めで、水平のラインがまったく見つからない家も多いのです。

当然、建具の建てつけが悪く、ドアはがたがただし、引き戸は開け閉てがたいへんです。このような家を改修しようと思ったら、構造の軸組みから直さなければなりません。第五は、シロアリの巣食った家。専門家が見ればすぐにわかりますが、建物本体の下半身を蝕まれてしまったら、修理はほとんど無理です。

なんとか直せる場合でも、簡単に1000万円を超える費用がかかってしまいます。最後に、高さのない家。一階の床が低くて地面すれすれだったり、二階までの階高が低いため一階の天井が低い場合などです。床が地面に近ければ家は湿気がちになりますし、天井が低ければ狭苦しくてうっとうしい。どちらの場合も、改造するのはたいへんです。

「壊すべきか、生かすべきか」はかなり微妙な問題です。決断するにあたっては、これらの他にも法規制や人生設計の問題、ローンの事情など、考慮しなければならない要素がいろいろあります。

しかし、以上に挙げた六点は、問答無用のチェック・ポイント。これらに引っかかるような家は、迷うことなく建て直したほうがいいと思います。